パリの市井の人々が暮らす街角の風景を激情的、かつ哀愁あふれる筆致で描き続けた佐伯は明治31年に大阪で生まれ、結婚後の大正10年に新宿区中落合の自宅兼アトリエに転居した。
渡仏する12年11月までと一時帰国した大正15年4月から昭和2年7月までの間、この自宅兼アトリエで連作「下落合風景」三十数点など数々の作品を描いた。2度目の渡仏後の3年8月、結核などのため30歳で亡くなった。
自宅兼アトリエと敷地約600平方メートルは47年に画家で妻の米子夫人が死去後、新宿区が遺族から購入。敷地は区立佐伯公園として公開してきた。自宅は老朽化のため60年に撤去され、残されたアトリエは非公開のままだった。
オープンする記念館は、取り壊された自宅の室内配置が分かるような形に木造テラスを設置。アトリエには佐伯の略歴や年譜、連作「下落合風景」のうち12点の複製を展示するほか、佐伯を紹介する映像も流す。また、自宅兼アトリエの模型を展示し、米子夫人の画業などを紹介する。
区文化観光国際課は「記念館は大正期のアトリエ建築を今に伝える貴重な建築物。佐伯が絵筆をとったアトリエの内部を見て、夭折の天才画家に思いをはせてほしい」と話している。
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アトリエ記念館開館を記念し、新宿区三栄町の新宿歴史博物館で特別展「佐伯祐三展〜下落合の風景」が5月9日まで開かれている。連作「下落合風景」13点など油彩画と水彩、素描の計約60点を展示。一般300円。問い合わせはTEL03・3359・2131。
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